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子どもの「好き」を育てる

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ガッツ倶楽部はこうして出来ました

自分でメシが食える大人に

 自然の法則から言って、先に死ぬのは親のほうです。突然に縁起でもない事を言ってすみません。でも、自分がいる内に子どもに「自分でメシを喰っていける力」をつけてやるのは、やはり親の務めだと思うのです。もう少し上品に言い換えます。「我が子が生きる糧(かて)・術(すべ)を手にする力」です。親は、エサを運んでくるだけの親鳥ではいけません。ヒナをいつの日にか立派に巣立たせなければならないのです。その為に、我が子に「学欲」を身に付けさせることが出来れば、もうそれだけで 親の責任は果たした!といっても過言ではないでしょう。「学力」じゃなく「学欲」、知的好奇心のことですよ。

 しかし、たいていの親はいつまでも子どもの勉強を見てはやれません。時間も取れないし、内容も難しくなってくるからです。だから、子どもが小さいうちから、自分で勝手に勉強するように育てる。わからないところは自分で調べて解決できるように育てるのです。想像してみて下さい。「勉強しないさいっ!」「宿題やったの?」なんて言わなくても、子どもが勝手に勉強している光景を。疑問や興味を自分で調べ解決して、さらに上の高みに到達していく姿を。

 ではどうやって?・・・18年の教職で出逢った素晴らしい生徒たちとの関わりの中から、その子たちに共通して、ある事実が見えてきました。それは、小さいうちから「学び」を「好きなもの」としてとらえてきたということ。「やらなきゃいけないもの」ではなく、「好きなもの。」そこに大きなヒントがありました。


好きこそものの上手なれ

 例えば、野球で考えてみましょう。豪速球を投げて三振を奪う。ホームランを打つ。ファインプレーを華麗にやってのける。それを目標(到達点)とした場合、選手は皆、走りこみ・素振り・ノック・筋トレなど地味で苦しく猛烈な練習を繰り返します。それを鍛錬と呼ぶことにします。ではなぜ、選手たちはこのような鍛錬を逃げ出さずに黙々とこなせるのでしょうか?

「目標を達成するため」に苦しくても我慢してやる。それも一つの答えでしょう。しかし、それでは一流選手にはなれないと思います。イチロー選手をはじめとして、一流と呼ばれる選手たちは皆、野球が「好き」だから、苦しい鍛錬も楽しく嬉しくやっているのではないでしょうか?

 思い出すのが、野球の世界一を決めるWBC(ワールドベースボールクラシック)での、日の丸を胸につけたイチローやムネリンをはじめ、日本代表のプロ野球選手たちです。みな、年齢や所属チームの壁もなく 、世界一を目指して目をキラキラさせた「野球少年・野球小僧」のようでした。

 競技は違えど、スケートの浅田真央選手、体操の内村航平選手、サッカーの本田選手、一流選手はみなその競技を愛していますよね。ですから「練習嫌いの一流選手はいない」と思うんです。一流はその競技が好きだから、練習さえもきっと楽しいのです。まさしく「好きこそものの上手なれ」です。

 それを勉強で言うならば、「好学心・向学心・高学欲」を身に付ける。⇒ 習ってないことにワクワクする、わかっていく感覚が好き、だから自ら進んで勉強する。⇒ 高学力と生きていく力、自分で生きる糧・術を手にする力が身につく・・・。という流れが、やはり王道でしょう。

 逆に、メシを喰っていくために高学歴が必要。⇒ 高得点を採るための要領やコツを塾でマスターする。⇒ 好きでなくても勉強はしなきゃ・・・。という流れでは、これは本末転倒だと思うのです。


子どもは好きなことをやっているときに一番伸びる。・・・これは真理でしょう。


そんなマインドを10歳ごろまでに醸成しましょう


 
教師を18年もやっていると、初めて受け持った生徒でも、最初の1〜2週間で「この子は伸びるだろうな」とか、「そうじゃないな」とかは、おのずと見えてきます。学ぶ意欲(これを私は「学欲」と呼んでます)を本人から感じられるかどうかです。高学欲の子は伸びます。低学欲の子は、結果的にはやっぱり・・・といった成績になります。

 本や映画になった『ビリギャル』、『偏差値29からの東大合格』のような一発逆転劇は実際ごくまれにありますし、ヤル気になった人間の可能性を否定する気はさらさらありません。ただ、滅多に起こらないことが故に本や映画になるのです。そんな奇跡、我が子にも起きるでしょうか? 私は、誰にでもできる子育ての「王道」を行った方が効率的だと考えています。

 ガッツ倶楽部は、字の読み書きが出来る幼稚園の年長さんからの「ルーキーズ」、小学校3年生までの「ジュニア」、そこで培った学欲を土台に一気に学力につなげる「マスターズ」を開講しています。これは脳の成長過程と、ガッツ倶楽部が提供する様々なプログラムの相乗的効果を考えた年齢設定となっています。(右図参照[学研受験指導会より])

 身長・体重や他の臓器に比べ、脳の成長は早く、10歳までにほぼ大人と同じ重量にまで達します。ただ、これは脳という「器」が整っただけであり、「中身」はそれ以後、どれだけでもその器に盛り込めます。

 それでも、この「脳=器」が形成されていく過程に沿い合わせるように、「勉強の仕方」や「知らないことをわかるようになるって気持ちいいでしょ」という刺激をかぶせていくことは相当に有効であると思います。そうすることで、「器」そのものが「強く大きな器」になりますから。

 そう書くと、何だか「右脳開発・・・」だとか「幼児から英語漬け・・・」のような「早期教育」論者のようでいけませんね。勘違いなさらないで下さい。小さな子どもの「小さな器」に「多くの中身」を入れ込もうとする早期教育とは全く違います。育好堂は、その「器を強く大きくする」ための教室です。

 多くの脳科学者や教育の専門家・実践家がネットや書籍に著されているように、学習に取り組む姿勢(考え方や心持ち=粘り、ガッツ)と、まるで大好物の料理をガツガツと貪(むさぼ)るように、「学び」にガッツく貪欲さを身につけるのには、10歳までが勝負だと考えられています。これを私はガッツ倶楽部で子どもたちの全身に沁みこませたいと思っています。10歳までに身に付けた学びの姿勢・ガッツは、中学・高校・大学・社会人と、一生の姿勢・宝になりますから。

 10歳まではオタマジャクシ、その後にカエルになる感じ、といってもわかりにくいでしょうか?何か生態が違うというか、10歳までは「挙動不審()で予測不能、大人の常識は通じない、変幻自在で、可能性無限の、魅惑の生命体」。そして10歳以降がやっと「人間」になる感じです。

 また、10歳を超えると「効率」「要領」「コツ」などの、論理的・技術的なものが成績を左右してくるようになってきます。ですから、10歳を過ぎたら もう手遅れ ということではありません。やること・やるべきことが全く違うのです。この辺りの専門的なことは、脳科学者や教育の専門家・実践家の言に譲りますので、詳しくお知りになりたい方はネットや書籍をあたってみて下さい。沢山ありますから。

 ちなみに、教育現場で現在注目されているのが「小4(10歳)の壁」という現象です。そもそも「ギャングエイジ」と言われる小学4年生は、授業も一気に難しくなり、学力や向学心、対人関係能力など、今まで何とかごまかせていたその子の力量不足が一気に露呈する学年だということです。この壁を難なく乗り越えさせてやりたいですね。

 

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